坂の上社労士事務所

2021年5月31日2 分

ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱いについて/新型コロナウイルスに関するQ&A(企業向け)

厚生労働省は、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を公表しています。今回は、ワクチン接種に関する休暇や労働時間についてのQ&Aを抜粋して記載します。

問20:ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱い

Q.自社に勤める労働者が新型コロナワクチンの接種を安心して受けられるよう、新型コロナワクチンの接種や接種後に発熱などの症状が出た場合のために、特別の休暇制度を設けたり、既存の病気休暇や失効年休積立制度を活用したりできるようにするほか、勤務時間中の中抜けを認め、その時間分終業時刻を後ろ倒しにすることや、ワクチン接種に要した時間も出勤したものとして取り扱うといった対応を考えています。どういった点に留意が必要でしょうか。

A.職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けていただくなどの対応は望ましいものです。

また、①ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設することや、既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等をこれらの場面にも活用できるよう見直すこと、②特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)や出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めることなどは、労働者が任意に利用できるものである限り、ワクチン接種を受けやすい環境の整備に適うものであり、一般的には、労働者にとって不利益なものではなく、合理的であると考えられることから、就業規則の変更を伴う場合であっても、変更後の就業規則を周知することで効力が発生するものと考えられます。

☛当事務所の見解

役所(厚生労働省)の言い回しは非常に官僚的な文章ですが、要は、「会社でやってくださいね」ということになります。原則的には、ワクチン接種の為に有給を与えたり、労働時間として取り扱う必要はありません。日本生命やコカ・コーラ、カルビーなどの大手企業は、ワクチン接種の特別休暇などを認めていますが、中小企業においてはなかなか難しいのではないかと思います。