坂の上社労士事務所

2022年3月30日2 分

リスクアセスメント対象物を扱う事業場 での化学物質管理者の選任を義務化へ (労政審安全衛生分科会答申)

令和4年3月23日に、厚生労働大臣より労働政策審議会に対して「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について諮問がなされました。同審議会安全衛生分科会で審議の結果、妥当であるとの答申がなされたとのことです。

この改正省令案のポイントは下記の通りです。

【労 働安 全 衛 生 規 則 関 係】

①事業場における化学物質に関する管理体制の強化

・化学物質管理者の選任の義務化

・保護具着用管理責任者の選任の義務化

・雇入れ時等教育の拡充

②化学物質の危険性・有害性に関する情報の伝達の強化

・SDS等による通知方法の柔軟化

・「人体に及ぼす作用」の定期確認及び更新

・SDS等による通知事項の追加及び含有率表示の適正化

・化学物質を事業場内で別容器等で保管する際の措置の強化

③リスクアセスメントに基づく自律的な化学物質管理の強化

・リスクアセスメント結果等に係る記録の作成及び保存

・化学物質による労働災害発生事業場等への労働基準監督署長による指示

・リスクアセスメント対象物に係る事業者の義務

・化学物質への直接接触の防止

④化学物質の自律的な管理の状況に関する労使等のモニタリング

・衛生委員会の付議事項の追加

(※)衛生委員会の設置義務のない労働者数50人未満の事業場においても、安衛則第23条の2に基づき、上記の事項について、関係労働者からの意見聴取の機会を設けなければならないこととする。

⑤がん等の遅発性疾病の把握の強化

【有機則・特化則・鉛則・四アルキル鉛則・粉じん則等関係】

⑥化学物質管理の水準が一定以上の事業場の個別規制の適用除外

⑦作業環境測定結果が第三管理区分の事業場に対する措置の強化

⑧ばく露の程度が低い場合における健康診断の実施頻度の緩和

施行期日は、改正規定ごとに段階的に設定されていますが、おおむねリスクのある化学物質の取り扱いについて規制強化となる方向での改正となっております。

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