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  • 執筆者の写真坂の上社労士事務所

雇用調整助成金の計算方法【雇用保険被保険者の場合】

▼雇用保険被保険者の場合

雇用調整助成金の受給額計算式については、以下となります。

①事業所の平均賃金×②休業手当率×③支給率

①=Ⓐ 前年度の雇用保険料の算定基礎となる賃金総額÷(Ⓑ前年1年間の1カ月平均の雇用保険被保険者数×Ⓒ前年度の年間所定労働日数)

事例】Ⓐ40,000,333円、Ⓑ15.5人、©247.92日

40,000,000円÷(15人×247日)=Ⓓ13,009円

※Ⓑについては、各月末時点の雇用保険被保険者数の平均

※Ⓐは千円未満切捨、ⒷⒸは小数点以下切捨、Ⓓは小数点以下切上


②=60%~100%

多くの企業が給与規程に「休業手当は平均賃金の60%以上を支払う」と記載しており、そちらが根拠となります。平均賃金は算定事由発生の前3カ月で計算します(賃金締切日がある場合は直前の賃金締切日以前)。平均賃金は、月給を労働日数で除した日額と比べるとかなり下回りますが、これは休日について給与支払義務が無い為です。

事例】給与は基本給(月額)30万円のみ、賃金計算期間1日から末まで、4月は全休業(20日間の出勤予定だった)、3月給与30万円、2月30万円、1月給与30万円

平均賃金⇒賃金総額90万円÷総歴日数91日=9,890円10銭(小数点第三位以下切捨)

60%の休業手当を支払う場合⇒9,890円10銭×20日×60%=118,681円(円未満端数切捨)

100%の休業手当を支払う場合⇒9,890円10銭×20日×100%=197,962円


③支給率

中小企業で解雇をしない場合は90%となります(解雇等を行った場合は80%)


▼上記①②③の事例で休業手当を100%支払った場合

基準賃金額 13,009円×100%×90%=11,709円(円未満端数切上)

一日当たり助成額 11,709円は上限の8,330円を上回るので8,330円

助成額総額 8,330円×20日=166,600円


☛ポイント

・助成額の根拠となる平均賃金=労基法上の平均賃金ではありません。

・雇用保険被保険者の場合、休業期間中に実際に支払った休業手当と助成額は連動しません。ただし、休業手当を平均賃金の何%とするかは連動します。

・4月8日以降の休業については、さらなる拡大措置が実施される予定です。よって、休業手当については平均賃金の100%を支払うなど、なるべく多くの賃金を支払っておくべきでしょう。今後どのように改定されるかは分かりませんが、日額8,330円の上限も撤廃される可能性もあります。

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