坂の上社労士事務所

2020年12月27日2 分

2か所で勤務(副業)する従業員を休業させた場合、雇用調整助成金の対象になるか

『2か所で勤務する従業員を休業させた場合、雇用調整助成金の対象になるか』について、事例を踏まえて解説致します。結論から申し上げると「可能」ということになりますが、注意点があります。それは、2か所の内、1か所で休業して休業手当を受けた場合、もう1か所では無給にする必要があるということです(2重取りの禁止)。

1.2か所とも時給の場合

A社勤務(時給)・・・12月27日は休業(休業手当を支給)

B社勤務(時給)・・・12月27日は公休(給与支給なし)

☛A社で休業を実施した日に、B社では給与の発生がないので、A社の休業については雇用調整助成金の対象となります。

2.1か所が時給、もう1か所が月給の場合

A社勤務(時給)・・・12月27日は休業(休業手当を支給)

B社勤務(月給)・・・12月27日は公休(欠勤控除無し、月給満額支給)

☛A社で休業を実施した日に、B社で給与が発生しているので、A社の休業については雇用調整助成金の対象となりません。

※仮にB社の12月27日を「通常出勤日」とし、B社の12月27日を欠勤扱いにして欠勤控除をすれば、A社の休業については雇用調整助成金の対象となります。

3.2か所とも月給の場合

A社勤務(月給)・・・12月27日は休業(欠勤控除あり、休業手当を支給)

B社勤務(月給)・・・12月27日は公休(欠勤控除無し、月給満額支給)

☛A社で休業を実施した日に、B社で給与が発生しているので、A社の休業については雇用調整助成金の対象となりません。

※仮にB社の12月27日を「通常出勤日」とし、B社の12月27日を欠勤扱いにして欠勤控除をすれば、A社の休業については雇用調整助成金の対象となります。

上記1のケース、つまり、「2か所とも時給」で勤務している場合は、雇用調整助成金の対象になることが想定されますが、「一方が月給」や「2か所とも月給」の場合、雇用調整助成金の対象になるケースは極めて限定的だと捉えるべきでしょう。