東京労働局では、令和元年(平成31年)に管内の18労働基準監督署が実施した定期監督等の結果について取りまとめ、公表しています。こうした事例を踏まえ、あらためて自社の労務管理を確認・改善するきっかけになれば幸いです。特に、労働基準監督署は、会社や事業主に対して監督指導する行政監督権限と、取調べや逮捕、捜索差押を行うことのできる司法警察職員としての身分も有しています。重大・悪質な違反に対しては、送検手続をとるなど厳正に対処しているので注意が必要です。
1.定期監督等の実施結果
▶定期監督等の実施事業場数
12,326事業場このうち、9,308 事業場(全体の 75.5%)で労働基準関係法令違反あり。
▶主な違反内容
⑴ 違法な時間外労働があったもの:3,241 事業場(26.3%)
⑵ 機械・設備等の危険防止措置に関する安全基準に関する違反があったもの:2,502 事業場(20.3%)
⑶ 割増賃金不払があったもの: 2,385 事業場(19.3%)
2.定期監督結果内訳
▶労働基準関係法令違反が多かった業種
建設業 3,822事業場
商業 1,411事業場
製造業 886事業場
教育研究業 289事業場
運輸交通業 287事業場
▶主な違反事項
❶労働基準法違反
労働時間 3,251件
割増賃金 2,385件
賃金台帳 1,648件
就業規則 1,246件
労働条件明示 1,196件
❷労働安全衛生法違反
安全基準 2,502件
安全衛生管理体制 1,042件
健康診断 1,026件