「令和6年度税制改正の大綱」において、令和6年分の所得税について、定額による所得税の特別控除(定額減税)を実施することとされました。
法案の国会提出前であっても、制度の詳細についてできる限り早急に公表することとされており、国税庁のホームページにおいても、特設サイトが設けられました。
この特設サイトでは、定額減税に関する最新情報を随時掲載して行くということです。現時点では、新着情報として、「給与の支払者のための令和6年分所得税の定額減税のしかた」が掲載されています。
【「給与の支払者のための令和6年分所得税の定額減税のしかた」内容】
定額減税の概要
給与の支払者の事業のあらまし(給与所得者に対する定額減税)
月次減税事務の手順
年調減税事務の手順
源泉徴収票への表示
各企業において一定の事務手続が必要となりますので、確認しておきましょう。
「給与の支払者のための令和6年分所得税の定額減税のしかた」
各人別控除事績簿、令和6年分源泉徴収に係る定額減税のための申告書 様式案
☞当事務所コメント
定額減税については、随時制度内容が更新される予定です。現時点で分かっている範囲の情報をわかりやすく記載致します。
Q.そもそも定額減税とは何ですか?
A.基準日(2024年6月1日)に在籍している方について、所得税を一人当たり3万円を上限として減額する制度です(本人3万円、税法上扶養親族数×3万円)。
例えば、6月25日の給与計算において、5万円の源泉所得税が発生した場合、3万円を控除し、残り2万円がその月の源泉所得税となります(扶養親族0人の場合)。
例えば、6月25日の給与計算において、2万円の源泉所得税が発生した場合、3万円を控除し、その月の源泉所得税は0円となります。7月25日の給与計算において、2万円の源泉所得税が発生した場合は、先月引ききれなかった1万円を控除し、その月の源泉所得税は1万円となります(扶養親族0人の場合)。
Q.私は、妻と1歳の子供を税法上扶養親族にしています。いくら減税されますか?
A.3万円+(3万円×2人)=9万円となります。
定額減税が適用される扶養親族に、年齢の制限はありません(16歳未満の年少扶養親族でも定額減税の対象となります)。税法上扶養親族であれば対象となります。
Q.私は、給与収入のみで今年2000万円を超える予定ですが、定額減税はどのようになるのでしょうか?
A.基準日(2024年6月1日)に在籍している場合、他の方同様、いったん定額減税を受けることになります。ただし、2000万円を超える方は定額減税制度の対象外の為、ご自身の確定申告の際、定額減税で受けた減税分を納付(返還)しなければなりません。
Q.私は、Aという会社に、2024年6月2日に入社しますが、毎月の給与計算で定額減税制度を受けることができますか?
A.基準日(2024年6月1日)に在籍していないので、毎月の給与計算では定額減税制度を受けることができません。年末調整の際に、定額減税制度が適用されることになります。
※令和6年分 年末調整に係る定額減税のための申告書はこちら
Q.会社としては、今現時点で何をすればよいのでしょうか?
A.基準日(2024年6月1日)に在籍予定の従業員に対し、①定額減税用の扶養控除申告書を配布し回収します。また、②申告書に記載された扶養親族数に間違いがないかを確認します。
※令和6年分 源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書はこちら