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相談件数とあっせん申請件数「いじめ・嫌がらせ」が引き続きトップ 令和5年度の個別労働紛争の状況

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 2024年7月18日
  • 読了時間: 2分

令和6年7月12日、厚労省より「令和5年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」が発表されました。

「個別労働紛争解決制度」とは、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度で、①「総合労働相談」、②都道府県労働局長による「助言・指導」、③紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

令和5年度の施行状況のポイントを以下にまとめました。


●総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加

・総合労働相談件数は121万400件で、4年連続で120万件を超え、高止まり


●民事上の個別労働関係紛争における相談、あっせんの申請では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多

・「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、60,113件(前年度比14.0%減)で12年連続最多

・「いじめ・嫌がらせ」のあっせんの申請件数は、800件(同7.6%減)で10年連続最多

〈補足〉指導・助言の申出件数では、「いじめ・嫌がらせ」は955件で2位(トップは「労働条件の引き下げ」で1,020件)。


●民事上の個別労働関係紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「労働条件の引き下げ」の件数が前年度から増加

・「労働条件の引き下げ」の相談件数は、30,234件(前年度比6.9%増加)

・「労働条件の引き下げ」の助言・指導の申出件数は、1,020件(同26.7%増加し最多)

・「労働条件の引き下げ」のあっせんの申請件数は、380件(同20.6%増加)


「いじめ・嫌がらせ」の件数が多いことはこれまでどおりですが、「労働条件の引き下げ」の件数が前年度から増加している点が、令和5年度の状況の特徴といます。

どのような事由が個別労働紛争の火種となっているのかチェックすることができますので、ぜひ一度ご覧ください。


<令和5年度 個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します>

 
 

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