1.改正の経緯・趣旨
健康保険制度における保険証については、保険者(例:協会けんぽなど)から事業主に送付し、事業主から被保険者に交付すること等が義務付けられています。しかし、テレワークの普及に伴い、在宅勤務者が出社しない場合の保険証の引き渡しに時間を要することから、こうした問題に対処すべく、保険者が支障なしと認めるときは、保険者から被保険者に保険証を直接交付することができるよう法改正されました。
2.改正の内容(健康保険法施行規則の一部改正)
①被保険者証の交付について、保険者が支障がないと認めるときは、保険者が被保険者に直接送付することができることとする。
②被保険者証の情報を訂正した場合における被保険者証の返付について、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由することを要しないこととする。
③被保険者証の再交付について、保険者が支障がないと認めるときは、事業主を経由することを要しないこととする。
④被保険者証の検認又は更新等を行った場合における被保険者証の交付について、保険者が支障がないと認めるときは、保険者が被保険者に直接送付することができることとする。
⑤高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証及び限度額適用・標 準負担額減額認定証の交付方法等について、①~④に準じた改正を行う。
⑥その他所要の改正を行う。
3.Q&A一部抜粋
①「保険者が支障がないと認めるとき」とは
A.事務負担や費用、住所地情報の把握等を踏まえた円滑な直接交付事務の実現可能性や、関係者(保険者・事業主・被保険者)間での調整状況等を踏まえ、保険者が支障がないと認める状況を想定
②保険証の返納についても事業主を経由せず、保険者へ直接返納することはできるか
A.できない。今まで通り、事業主が回収する必要あり