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【令和8年度/2026年】全国加重平均1,177円へ。過去2番目の大幅引き上げとなる地域別最低賃金改定と企業がすべき実務対応を社労士(社会保険労務士)が解説
令和8年度の地域別最低賃金の改定額が、全ての都道府県で答申されました。厚生労働省の発表によると、改定額の全国加重平均額は昨年度から56円引き上げられ、1,177円となります。この引き上げ幅は、昭和53年度に現在の目安制度が始まって以降で2番目に高い水準です。
本記事では、この歴史的な大幅改定について、社会保険労務士の視点から法律や制度の改正内容、政府の狙い、今後の動向、そして企業が直面する実務上の注意点について、深く、かつわかりやすく解説いたします。
【要約】社会保険労務士が読み解く!令和8年度最低賃金改定・3つの視点
まず、今回の改定の要点を3つの視点で要約します。
改正の内容:全国加重平均56円の引き上げと地域間格差の縮小
全国加重平均で56円の大幅引き上げとなり、47都道府県すべてで54円から65円の引き上げが実施されます。最高額(東京

坂の上社労士事務所
2 日前読了時間: 6分


こども家庭庁「若者10万人調査」から読み解く、次世代の人事労務管理と企業の未来戦略
こども家庭庁が実施した「若者10万人の総合調査」(有効回答数約6万7900人、令和8年実施)は、15歳から39歳までの若年層が現代社会において抱える生々しい課題を浮き彫りにしました。私自身、3人の子供たちに対して数学や国語、そして情報技術(IT)の知識を中心とした家庭学習環境を整え、次世代の成長と日々向き合う中で、彼らが将来直面するであろう社会の厳しい現実に対し、強い危機感と関心を持っています。
本調査の結果を1つの言葉で表すならば、若者が抱える「経済的不安」、「時間的余裕の欠如」、そして「孤立と人間関係の悩み」の深刻化です。企業の人事労務管理において、これらの社会課題は決して対岸の火事ではありません。少子高齢化による労働力不足が叫ばれる中、若年層の労働力を確保し、定着させ、意欲的に働いてもらうためには、企業側が彼らの価値観や苦悩を深く理解し、具体的な制度として応えていくことが不可避となっています。
本記事では、この膨大な調査結果を社会保険労務士の視点で解析し、今後の法改正の動向や実務上の細かな注意点を踏まえつつ、企業が直ちに取り組む

坂の上社労士事務所
6 日前読了時間: 6分


【2026年度 最低賃金大幅引き上げ】各都道府県の答申額と本決定までの徹底解説〜地域間格差の縮小と、持続的な賃上げに向けた政府の狙い〜
2026年度(令和8年度)の地方最低賃金審議会における答申が各地で出揃い始めました。今年の改定は、多くの都道府県で50円台後半という過去最高水準の引き上げ幅を記録する歴史的な年となっています。
政府が掲げる「持続的な賃上げ」の方針と、物価高騰に対する生活防衛の必要性から、各地方審議会では激しい議論が交わされました。本記事では、現在までに明らかになっている各都道府県の具体的な答申額を整理するとともに、最低賃金がどのようにして最終的な効力を持つ「本決定」に至るのか、その法的なプロセスを専門家の視点から詳しく解説します。
1.【地域別】2026年度 地方最低賃金審議会の答申額まとめ
現在、各都道府県の地方最低賃金審議会から答申されている引き上げ額および改定後の最低賃金額は以下の通りです。多くの地域で国の目安を上回る、あるいは過去2番目の大きな上げ幅を記録しています。
【北海道・東北】
北海道:1131円(56円引き上げ、6年連続)
宮城県:1098円(60円引き上げ、目安額からの上乗せは2年連続)
【関東】

坂の上社労士事務所
8月12日読了時間: 6分


令和7年度「年金収支決算」から読み解く!社会保障制度の現在地と企業の労務戦略
厚生労働省より、令和8年8月7日に「厚生年金保険・国民年金の令和7年度収支決算の概要」が公表されました。本決算報告は、我が国の社会保障制度の中核を担う公的年金制度の最新の財政状態を示す極めて重要な資料です。単なる過去の収支報告にとどまらず、ここには今後の労働市場の動向や、政府が目指す法制度の方向性が如実に表れています。
本記事では、特定社会保険労務士の専門的な知見に基づき、この決算データを「3つの視点」から深く紐解きます。表面的な数字の増減にとどまらず、その背景にある法律や制度の改正、政府の狙い、そして企業実務に与える影響や今後の具体的な対策まで、わかりやすく解説いたします。経営者や人事労務担当者の皆様にとって、次の一手を打つための道標となれば幸いです。
1.過去最高302兆円を突破した積立金と、年金財政の健全性
令和7年度決算における最大の注目点は、決算結了後の年金積立金が時価ベースで前年度より42兆5,136億円も増加し、過去最高の302兆5,893億円に達したことです。内訳を見ると、厚生年金保険においては6年連続の増加(簿価122

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8月12日読了時間: 8分


【令和8年8月1日最新版】雇用調整助成金のすべて〜制度の核心、実務の要点、そしてこれからの企業防衛〜
令和8年8月1日、厚生労働省より「雇用調整助成金ガイドブック」の最新版が公表されました。新型コロナウイルス感染症に伴う特例期間を経て、制度は本来の厳格な姿へと回帰しつつあります。しかし、単に要件が厳しくなったと捉えるべきではありません。この制度の根底には、事業活動が困難な状況下においても、労働者の雇用を守り抜き、次なる成長への備えを促すという政府の強い意志が込められています。
本記事では、社会保険労務士としての専門的な知見から、今回の最新版ガイドブックの読み解くべき要点を3つの視点に集約し、経営者や人事労務担当者の皆様にわかりやすく解説いたします。
1.制度の現状と政府の狙い〜単なる休業からの脱却〜
第一の視点は、今回の制度変更の背景にある政府の狙いです。特例措置が終了し、本来の原則的な運用に戻った雇用調整助成金ですが、そこには「単なる休業に対する支援」から「教育訓練を伴う前向きな雇用の維持」へと企業を誘導する意図が明確に表れています。
ガイドブックに明記されている通り、休業のみを実施するよりも、事業活動の縮小期を活かして労働者に新た

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8月12日読了時間: 6分


【令和9年1月1日適用開始】療養・育児・介護による「標準報酬月額の特例改定」社労士が読み解く3つの視点と実務対応
近年、働く人々のライフスタイルは多様化し、病気の治療や育児、家族の介護と仕事の両立が社会的な重要課題となっています。企業においても、貴重な人材の離職を防ぐため、柔軟な働き方を支援する制度の拡充が求められています。
こうした状況を背景に、厚生労働省は令和8年7月31日付で「療養、育児又は介護により報酬が急減した者についての健康保険法及び厚生年金保険法の標準報酬月額の保険者算定の特例について」という重要な通知を公表しました。この制度は、令和9年1月1日から適用されます。
本記事では、この新しい「特例措置」について、社会保険労務士の専門的な見地から、1.制度の核心と背景、2.実務への影響と手続き、3.今後の見通しと労務管理の課題という3つの視点で徹底的に解説し、企業の人事労務担当者が取るべき具体的な対応策を提示します。
1.【制度の核心と背景】「随時改定の3か月要件」が見直された政府の狙い
①従来の制度における課題:「報酬減」と「社会保険料」のタイムラグ
社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は、原則として毎年1回の「定時決定(算定

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8月12日読了時間: 7分


【令和8年度・最低賃金改定】全国平均1,176円時代へ社労士が解説する「3つの重要視点」と企業の実務対応-大幅な引き上げが続く背景と、中小企業が直視すべき課題と対策-
令和8年7月28日、厚生労働省の「第75回 中央最低賃金審議会」において、令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安が答申され公表されました。今年の目安は、各都道府県を3つのランクに分けた上で、Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円となりました。
仮にこの目安通りに各都道府県で改定が行われた場合、全国加重平均の上昇額は55円(引上げ率4.9%)となり、現在の1,121円から1,176円へと到達します。地域別に見ると、最も高い東京都は1,280円、最も低い沖縄県・宮崎県・高知県でも1,079円となり、企業経営に与えるインパクトは極めて大きいと言わざるを得ません。
本記事では、この大幅な最低賃金引き上げの背景にある制度の動き、政府の狙い、そして今後の経済動向を分析し、社会保険労務士の専門的な立場から、経営者が直視すべき「3つの視点」と具体的な実務対策について深く解説いたします。
1.【制度と経緯】B・Cランクの引き上げ額がAランクを上回る理由と「地域

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7月31日読了時間: 7分


【社労士前田が斬る】高支持率の高市早苗首相は本当に名宰相か?女性初の総理が女性支持を得られない?全世帯の半数以上が生活「苦しい」と回答、特に母子世帯で顕著~厚労省「国民生活基礎調査」から読み解く3つの視点と実務戦略~
日本初の女性総理大臣として高い内閣支持率を維持する高市早苗政権。一部では「名宰相」と持ち上げる声すら聞こえるが、国民の足元の暮らしを直視したとき、その呼び名はあまりにも残酷な皮肉として響く。厚生労働省が取りまとめた「2025年(令和7年)国民生活基礎調査」の結果は、1世帯当たりの平均所得金額が575万2000円(対前年増減率7.3%増)と過去最高の伸びを記録したとする一方で、全世帯の55.4%が生活を「苦しい」(「大変苦しい」「やや苦しい」の合計)と回答する異常な乖離を浮き彫りにした。
なかでも深刻なのが、子どもがいる世帯で61.5%、母子世帯に至っては82.1%という圧倒的な割合が「苦しい」と悲鳴を上げている事実である。世帯構造の推移をみても、児童のいる世帯は全世帯の16.7%(917万4000世帯)と減少傾向にあり、そのうち子どもが1人だけの世帯が50.1%と初めて半数を超えた。
賃上げの波が報じられる中で、なぜ国民の過半数、とりわけ子育て世代やシングルマザーがこれほどの生活難に喘いでいるのか。女性や生活者をこれほどの困窮に放置し

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7月16日読了時間: 9分


【社労士解説】7年連続で過去最多を更新。令和7年度・精神障害の労災認定データから読み解く今後の動向と企業の実務対応
厚生労働省が2026年7月15日に公表した「2025年度(令和7年度)過労死等の労災補償状況」は、日本の企業社会における労務管理の焦点を鮮明に映し出しています。長年にわたり推進されてきた「働き方改革」により、長時間労働を要因とする脳・心臓疾患の労災認定が減少傾向を示す一方で、仕事上のストレスを原因とする精神障害の労災請求・認定件数はかつてない水準へと急増しています。
特に注目すべきは、精神障害の労災請求件数が前年度比1178件増の4958件に達し、認定件数も1082件と7年連続で過去最多を更新した事実です。なぜ今、これほどまでに精神障害の労災が増加しているのか。本稿では、最新の政府統計データと労働関連法令の改正経緯を読み解きながら、社会保険労務士の専門的視点から「3つの視点」で実務上の本質的課題と実効的な予防策を徹底解説します。
1.精神障害労災4958件の衝撃と「ハラスメント3大要因」の台頭
2025年度統計において最も警戒すべきは、精神障害の請求件数が前年度から約31%増という急激な右肩上がりの推移を示した点です。支給・不支給が決定

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7月15日読了時間: 9分


【2026年8月1日施行】育児休業等給付の申請手続き見直しを徹底解剖〜特定社労士が読み解く3つの視点と企業の実務対応〜
2026年(令和8年)8月1日より、育児休業等給付の申請手続き及び事務取扱が大きく見直されます。今回の改正は、単なる書式や添付書類の微修正にとどまらず、これまで人事労務担当者や社会保険労務士を悩ませてきた「給付金支給の遅延構造」や「多様な労働時間制度における算定の複雑さ」を根本から解消しようとする、実務上の構造的な転換点といえます。
2024年から2025年にかけて段階的に施行された改正育児・介護休業法や、雇用保険法における「出生後休業支援給付金」および「育児時短就業給付金」の創設により、企業の育児支援制度は拡充された一方で、現場の手続きは極めて複雑化していました。今回の2026年8月改正は、こうした制度拡充に伴う現場の事務負担を軽減し、労働者へ迅速に給付金を届けるための環境整備です。
本稿では、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークより公表された最新の行政資料を基礎として、社会保険労務士の専門的な知見から、改正の核心を「3つの視点」で要約し、制度の背景、実務上の留意点、そして今後の人事労務戦略までを網羅的に深く解説します。

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7月14日読了時間: 16分


【2027年4月施行】ストレスチェック制度の「集団分析の匿名化」が省令で明文化。法改正の背景と企業の実務対応、今後の人事戦略を徹底解説
2026年(令和8年)6月30日、厚生労働省より労働安全衛生規則の一部を改正する省令(2026年厚生労働省令第112号)が公布されました。本改正省令は、翌年の2027年(令和9年)4月1日より施行されることが決定しています。
今回の法改正において対象となるのは、企業における労働者の精神的な健康の保持増進を目的とした「ストレスチェック制度」の中でも、職場環境の改善を目的とした「集団分析」に関する規定です。
これまで、労働現場における精神的な負担を軽減し、働きやすい職場環境を構築することは、企業にとって重要な経営課題として認識されてきました。その中核を担うストレスチェック制度において、今回の法改正はどのような意味を持つのでしょうか。
本稿では、特定社会保険労務士の視点から、この法改正がもたらす法的な意味合い、企業の実務上の具体的な注意点、そして今後の企業経営における人事労務の展望について、3つの視点から深く掘り下げて解説します。報道関係者の方々にとっても、現代の労働問題や今後の法規制の動向を読み解くための重要な指針となる内容です。
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7月8日読了時間: 10分


【人事・労務の危機管理の最前線】令和8年(2026年)最新版:派遣労働者の「同一労働同一賃金」最新指針と実務対応のすべて~厚労省の新Q&Aが示す派遣先・派遣元の新たな責任と日本型雇用の行方~
令和8年(2026年)7月1日、厚生労働省より派遣労働者の同一労働同一賃金に関する極めて重要な行政資料の更新が行われました。「待遇に関する情報提供の例」「比較対象労働者の情報提供の例」の改定、ならびに「適正な派遣就業の確保等に関するQ&A」(6月30日公表)、そして令和8年度版の派遣元・派遣先連携の啓発資料の公開です。
2020年(大企業)、2021年(中小企業)に施行されたパートタイム・有期雇用労働法および労働者派遣法の改正による「同一労働同一賃金」制度は、導入から数年が経過し、企業現場における実務対応は一定の定着を見せているように見えます。しかし、その実態は「書面上の辻褄合わせ」に留まっている事例も少なくなく、派遣先と派遣元の間の情報連携の不足や、待遇決定の過程における不透明さが依然として労働市場の大きな課題となっています。
本記事では、特定社会保険労務士としての専門的知見から、今回の厚生労働省の公表資料を徹底的に分析・解読し、法改正の歴史的経緯、政府の真の狙い、そして企業が直面する実務上の課題と今後の見通しについて、高度かつ網羅的に解説

坂の上社労士事務所
7月7日読了時間: 15分


【社労士解説】2026年6月「特定在留カード」導入に伴う外国人雇用実務の完全ガイド〜3つの視点から読み解く制度改正の狙いと企業の対応策〜
近年、日本の労働市場において外国人材の存在感はかつてないほど高まっており、企業規模や業種を問わず、外国人労働者の活躍が必要不可欠な時代となっています。そのような状況下において、令和8年(2026年)6月14日に施行される「特定在留カード」の導入は、外国人材を雇用するすべての企業にとって、人事労務管理のオペレーションを根本から見直す必要に迫られる極めて重要な制度改正です。
本記事では、特定社会保険労務士としての実務経験と専門的知見から、この「特定在留カード」の創設と関連する法改正について、「制度解説」「実務対応」「未来予測と課題解決」という3つの視点で詳細に分析・解説します。
1.【制度解説】特定在留カード創設の経緯と政府が描く「共生社会」のビジョン
1-1. マイナンバーカードと在留カードの統合がもたらすもの
令和8年(2026年)6月14日より、出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律に基づき、マイナンバーカードの機能を付加した「特定在留カード」の運用が開始されます。これまでの制度では、中長期在留者である外国人の方は、在留カー

坂の上社労士事務所
6月15日読了時間: 10分


【社労士解説】令和8年(2026年)10月施行「国民年金第1号被保険者の育児休業期間免除」の全貌~フリーランス・自営業者の子育て支援は新たなステージへ~
多様な働き方が広がる現代において、長らく課題とされてきた「自営業やフリーランスと、会社員との社会保障格差」に、ついに大きなメスが入ります。2026年(令和8年)10月1日より、「国民年金第1号被保険者の育児期間における保険料免除措置」が施行されます。
これまで、育児休業制度が整備されている会社員(被用者)とは異なり、自営業者やフリーランスには育児期間中の明確な支援措置が乏しい実態がありました。本改正は、この深刻な格差を是正し、社会全体で子育て世代を支援するための画期的な一歩となります。
本記事では、制度導入に向けた準備を進める企業・個人の皆様へ向けて、社会保険労務士の視点から「制度の全容」「法改正の背景と政府の狙い」「実務上の留意点と今後の動向」という3つの視点で、深く、そしてわかりやすく解説いたします。
1.新制度の全容と圧倒的なメリット(制度の対象・期間・効果)
まずは、新設される制度の具体的な内容を整理します。この制度は、一言で言えば「子育て期間中の国民年金保険料を免除し、かつ、将来の年金額は『全額納付した』ものとして保

坂の上社労士事務所
6月15日読了時間: 7分


【社労士解説】毎月勤労統計から読み解く賃金構造の激変〜報道が伝えない「3つの重要指標」と注視すべき統計の動向〜
厚生労働省が2026(令和8)年6月5日に発表した「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年4月分結果速報」において、物価の変動を反映させた実質賃金が前年同月比1.9%増となり、4か月連続の増加を示したことが大きな話題となっています。基本給を反映する所定内給与も前年同月比3.4%増の27万7916円となり、1992(平成4)年10月以来、33年6か月ぶりの高水準を維持しています。
しかし、これらの表面的な総計数値だけで労働市場の現状を判断することは極めて危険です。情報媒体の取材対応や企業の経営判断においては、「何を行うべきか」という対策論に終始するのではなく、統計の背後にあるどの数値の動きに警戒し、どのような動向を注視すべきかを正確に把握することが求められます。
本記事では、特定社会保険労務士の専門的な知見から、今回の公表資料を詳細に解読し、実務家が真に注目すべき「3つの視点」と「注視すべき具体的指標」について深く解説します。
1.名目賃金上昇の持続性を図る指標〜基本給の底上げと企業物価指数の危険な均衡〜
第一に注視すべき動向は、名

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6月5日読了時間: 10分


令和8年 高年齢者・障害者雇用状況等報告の全貌と実務対応:人口減少社会における「人を活かす経営」の試金石
少子高齢化と働き手となる生産年齢人口の急減という、我が国が直面する未曾有の構造的課題を背景に、企業の「多様な人材の活用」はかつてないほど重要な経営課題となっています。単なる法令順守の枠を超え、企業がいかにして高年齢者や障害者が能力を発揮できる働きやすい職場環境を構築しているかは、「働く人々を会社の貴重な財産と捉える経営」の観点から、社会全体や企業を評価する機関から厳しく問われる時代へと突入しました。
令和8年6月1日、厚生労働省より「高年齢者雇用状況等報告」および「障害者雇用状況報告」に関する本年度の案内が公開され、企業への報告手続きが本格的に始まりました。この報告は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)第52条第1項 、および障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)第43条第7項に基づき 、事業主に義務付けられている極めて重要な行政手続きです。提出期限は令和8年7月15日と厳格に定められています。
本記事では、企業の経営者・人事労務担当者様に向けて、特定社会保険労務士の視点から、今回の報告業務に関する法

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6月3日読了時間: 11分


【徹底解説】2026年「カスハラ・就活セクハラ」対策義務化の実務と本質ー精神障害の労災急増から読み解く企業防衛の最前線
現代の企業経営において、「ハラスメント」は単なる職場内の人間関係のトラブルという枠を超え、企業の存続を揺るがしかねない重大な経営リスクとなっています。近年、ハラスメントに起因する精神障害の労災認定件数は急増しており、メディアでも連日のように企業不祥事として報じられています。
こうした社会情勢を背景に、政府は労働施策総合推進法等の法改正を行い、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等の防止措置を事業主に義務付けてきました。そして、令和8年(2026年)10月1日には、かねてより社会問題化していた「カスタマーハラスメント(顧客等からの著しい迷惑行為)」および「求職者等に対するセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)」の防止対策がいよいよ企業に義務化されます。
本稿では、特定社会保険労務士としての専門的知見から、複雑化するハラスメント問題の現状を解き明かし、企業が直面する実務上の課題と、今後の動向を踏まえた抜本的な解決策を「3つの視点」で深く解説します。感情論を排し、法的な根拠と冷静な実務対応に基づく「毅然とした組織防衛」のあり方につい

坂の上社労士事務所
5月29日読了時間: 11分


【社労士解説】2026年改正健康保険法が成立!「出産費用の実質無償化」の全貌と、企業実務・社会保障制度に与えるインパクト
2026年5月29日、参院本会議において、出産時の分娩費用を無償にする新制度の創設などを盛り込んだ改正健康保険法が可決・成立しました。この法改正は、長年議論されてきた「出産費用の負担軽減」に大きなメスを入れると同時に、市販薬に近い医薬品(OTC類似薬)の自己負担引き上げや、高齢者の金融所得の保険料反映など、持続可能な医療保険制度を維持するための「痛み」を伴う包括的な改革となっています。
本記事では、メディア関係者や企業の経営者、人事労務担当者に向けて、今回の法改正の全体像と背景、そして今後の実務対応について、現場を知る社会保険労務士の視点から徹底的に解説します。
1. 今回の法改正:3つの視点による要約
今回の法改正が社会や企業に与える影響について、まず全体像を3つの視点で整理します。
【制度的視点】「出産育児一時金」から「現物給付(分娩費)」への根本的転換
これまで原則50万円が支給されていた「出産育児一時金」の仕組みを改め、正常分娩にかかる費用の全額を公的保険から医療機関へ直接支払う仕組み(分娩費)が創設されます。これ

坂の上社労士事務所
5月29日読了時間: 7分


【社労士解説】利用率わずか1.5%の「デジタル給与」—普及を阻む規制の壁と法改正の行方、企業が備えるべき実務の要点
2023年4月に解禁されたデジタルマネーによる給与支払い、いわゆる「デジタル給与」ですが、解禁から数年が経過した現在も、その利用率は低迷しています。厚生労働省が労働者1万人を対象に実施した調査(1〜2月)によれば、デジタルマネーで給与を受け取っている人はわずか1.5%にとどまっています。
日常生活においてQRコードやバーコードによる決済サービスを利用していると回答した割合は59.1%に上り、キャッシュレス決済自体は社会に広く浸透しています。しかし、こと「賃金の受け取り手段」としての普及は全く進んでいないのが実態です。
本稿では、なぜデジタル給与が普及しないのか、そして政府が検討を進める規制緩和によって今後どのような変化が起きるのかを、労働法務と人事労務システムの専門家としての視点から深く解説します。また、多様化する働き方の中で、企業がどのようにこの制度と向き合い、実務上の課題を解決していくべきかについても展望を示します。次世代の人事労務体制を構築しようとする経営者・人事担当者にとって、今後の動向を読み解くための一助となれば幸いです。

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5月25日読了時間: 9分


【社労士解説】毎月勤労統計(2026年3月確報)から読み解く「実質賃金プラス転換」の死角〜「年収の壁」と企業間格差がもたらす労働力不足への処方箋〜
厚生労働省が2026年5月22日に公表した「毎月勤労統計調査(2026年3月分結果確報)」は、日本経済と労働市場における重大な転換点を示すデータとなりました。報道機関では「実質賃金のプラス転換」が大きく報じられる一方で、労働現場の最前線では「時給上昇に伴う労働時間の減少」という、経営の根幹を揺るがす深刻な事態が進行しています。
本稿では、特定社会保険労務士の視点から、政府統計の深層を3つの視点で高度に分析し、企業が今後の法改正や物価上昇の波を生き抜くための実践的な戦略を解説します。
1.実質賃金1.4%増の真実と、見過ごされる企業規模間格差
最新の確報値において、最も注目すべき指標は実質賃金指数の動向です。持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数で実質化した現金給与総額は、前年同月比で1.4%増となり、指数は87.1を記録しました。
名目賃金(1人平均現金給与総額)の全体平均は318,563円(前年同月比3.1%増)となり 、一般労働者に限れば414,612円(同3.6%増)と力強い伸びを示しています。これは、春季労使交渉によ

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5月22日読了時間: 7分
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