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人手不足の救世主はAIと賃金!? 令和7年「労働経済白書」から読み解く企業が生き残るための最重要戦略3選

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 10月1日
  • 読了時間: 4分
労働経済白書

厚生労働省から令和7年版の「労働経済白書」が公表されました。今年のテーマは「労働力供給制約の下での持続的な経済成長に向けて」。少子高齢化による「人手不足」という最大の経営課題に、企業がどう立ち向かい、成長を続けるかを示唆する重要な内容です。

社会保険労務士(社労士)の視点で、この白書を企業経営視点から要約し、今すぐ取り組むべき戦略を解説します。


1. 生産性向上とDX戦略

"非製造業"の「AI・ソフトウェア投資」こそが成長の鍵!

白書は、日本の持続的な経済成長には労働生産性の向上が不可欠であると強調しています。特に、AIやソフトウェアへの投資が米国・英国・ドイツと比較して遅れており、これが生産性低迷の大きな要因と分析されています。

白書の指摘

企業が取るべき行動

医療・福祉業等の効率化が重要。

AI・IT投資を加速させ、事務作業やルーティンワークを徹底的に削減。

非製造業のソフトウェア投資が低迷。

IT導入補助金や税制優遇を最大限活用し、投資を税金対策と生産性向上に直結させる。

*ご参考:IT導入補助金2025 https://it-shien.smrj.go.jp/

【社労士前田からのアドバイス】

単なるコストカットではなく、戦略的な無形資産(ソフトウェア等)への投資は、将来の利益を生み出す「攻めの税金対策」です。適切な税制措置を活用し、財務基盤を強化しながら生産性向上を実現しましょう。


2. 賃金と処遇改善戦略

社会インフラを支える人材は「キャリアラダー」で確保せよ!

医療・福祉、建設、物流など、人々の生活を支える「社会インフラ関連職」は、深刻な人材不足に直面しています。白書は、この分野の賃金カーブが他の職業に比べて緩やかであり、スキル・経験に見合った処遇改善ができていないと指摘しています。

白書の指摘

企業が取るべき行動

社会インフラ関連職は、賃金カーブの傾きが緩やか。

「キャリアラダー(賃金が経験に応じて段階的に上昇する仕組み)」の設計と導入。

人材確保には、賃金をはじめとした処遇改善が不可欠。

人事評価制度を見直し、従業員のスキルアップと賃金アップを連動させる。助成金(人材開発支援助成金など)を活用し、従業員の能力開発を推進する。

【社労士前田からのアドバイス】

ベースアップだけでなく、評価制度と連動した「賃金テーブル」を整備することが、優秀な人材の定着に不可欠です。長期的なキャリア展望を示すことで、従業員のモチベーションと生産性を同時に高められます。


3. 柔軟な雇用管理戦略

「仕事優先型」は44%→23%に激減!多様化する意識への対応を

ワーク・ライフ・バランスへの関心の高まりや、仕事よりも余暇を優先する労働者の割合が増加するなど、労働者の就業意識は大きく変化しています。この変化に対応できなければ、企業は優秀な人材を失います。

白書の指摘

企業が取るべき行動

「仕事優先型」が減り、「余暇・仕事両立型」「余暇優先型」が増加。

フレックスタイム制、テレワーク、選択的週休3日制など、柔軟な働き方を就業規則に明確に規定。

若年層ほど賃金水準を重視し、自己成長への関心が高い。

多様な雇用形態(正社員、限定正社員、フリーランス活用など)に対応できる法的な枠組み(契約書、就業規則)を整備し、コンプライアンスを徹底する。

*ご参考:フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html 

【社労士前田からのアドバイス】

柔軟な働き方は、労務管理の複雑化や労働時間管理の難しさを伴います。トラブルを防ぐためには、就業規則や雇用契約書を最新の法改正と自社の実情に合わせて改定し、柔軟性とコンプライアンスの両立を図ることが重要です。


坂の上社労士事務所/給与計算・就業規則・助成金・社会保険・労務相談・人事評価(東京都千代田区神田三崎町/全国対応)

代表 特定社会保険労務士 前田力也

水道橋オフィス 東京都千代田区神田三崎町2-17-5稲葉ビル203

国分寺オフィス 東京都国分寺市本町4-7-5サンプラビル2階

立川オフィス 東京都立川市曙町1-16-1 第3鐙坂ハウス3階

お問い合わせ support@sakanouehr.com 電話03-6822-1777

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