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【令和8年度厚労省予算案・完全解読】「人手不足」を「成長」に変える!社労士が読み解く、全施策網羅と企業の命運を決める3つの視点

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 1 日前
  • 読了時間: 5分
厚労省予算

令和8年度の厚労省予算案は、一般会計だけで35兆433億円(前年比2.1%増)という巨額の規模となりました。この予算の裏側には、人手不足を単なるピンチではなく、賃上げと生産性向上による「成長のチャンス」に変えようとする政府の強い意志が込められています。

以下、本資料の全容を漏れなく網羅し、社労士前田の視点から3つの核心的な視点に凝縮して深掘りします。


1.【経営革新】「三位一体の労働市場改革」の完遂と、物価を上回る賃上げの実現

政府は、賃上げと労働生産性の向上をセットで推進するため、1,961億円という巨額の賃上げ支援予算を計上しています。

  • 「賃上げ」支援助成金パッケージ

    中小・小規模企業に対し、業務改善助成金などを通じて、賃金引上げと設備投資を強力に支援します。

  • リスキリングによる能力向上(1,881億円)

    教育訓練給付のさらなる拡充や、デジタル・生成AI人材の育成を推進します 。特に非正規雇用者が働きながら学びやすい環境整備が加速します。

  • ジョブ型人事の普及と労働移動

    個々の企業の実態に応じた「ジョブ型人事指針」の周知が進められ、スキルの可視化と成長分野への円滑な労働移動(job tagの活用等)が促されます。

  • 「多様な正社員」制度の普及

    勤務地、時間、職務を限定した正社員制度の導入を促進し、人材の定着を図ります。

☛社労士前田の深掘り分析

単なる「賃上げ」の強制ではありません。国は「稼ぐ力」をつけるための設備投資や教育に予算を付けています。企業は、業務改善助成金等の「助成金パッケージ」をフル活用し、今のうちに「低賃金・労働集約型」から「高付加価値・高生産性」の組織へ脱皮する必要があります。


2.【現場変革】医療・介護・障害福祉の「報酬劇的改定」とDXによる経営基盤の強化

エッセンシャルワーク分野では、人材確保のために異例の期中改定を含む強力な措置が講じられます。

  • 報酬改定の衝撃

    診療報酬(+3.09%)、介護報酬(+2.03%)、障害福祉サービス等報酬(+1.84%)の改定を実施。

  • 現場の賃上げを直接支援

    介護・障害福祉従事者に対し、幅広く月額1.0万円(3.3%)の賃上げを措置。さらに、生産性向上に取り組む事業所では、介護職員に最大月額1.9万円(6.3%)の賃上げが実現する仕組みが導入されます。

  • 医療・介護DXの加速(37億円)

    電子カルテ情報の共有、マイナ保険証の利用促進、介護テクノロジーの導入支援など、事務負担軽減と質向上のためにDX予算が集中投下されます。

  • 人材確保と働き方改革

    医師・看護師等の働き方改革(勤務環境改善支援センターの活性化:3,000万円)や、遠隔授業導入による看護人材育成(8,700万円)など、供給側の強化も図られます。

☛社労士前田の深掘り分析

特に介護・福祉分野での「最大1.9万円の賃上げ」は、生産性向上(ロボット、ICT活用)が条件となっています。加算を最大限に取得するには、現場のオペレーション変更と、それに応じた就業規則の改定、賃金規定の整備が不可欠です。


3.【包摂・安全】多様な人材が「自分らしく」輝ける、安心安全な職場環境の整備

深刻な人手不足を補うため、あらゆる人材が活躍できる「地域共生社会」の実現に向けた予算が大幅に拡充されています 。

  • カスタマーハラスメント対策(新規)

    近年深刻化する「カスハラ」から従業員を守るための取組支援が新たに明記されました(75億円の一部)。

  • 女性の活躍と健康課題(1.6億円)

    男女間賃金差異の解消に加え、更年期障害や月経など、女性特有の健康課題に取り組む企業を支援するメニューが新設されます。

  • 仕事と「育児・介護・病気」の両立支援(1,292億円)

    共働き・共育てを推進するための「育児時短就業給付」の新設や、治療と仕事の両立、カスタマーハラスメント対策を含む職場環境改善が強力に推進されます。

  • 就職氷河期世代・ひきこもり支援(1,439億円)

    氷河期世代の正社員転換支援や、ひきこもり相談支援の全国展開など、社会的孤立を防ぐセーフティネットが強化されます。

  • 障害者・高齢者の活躍

    障害者のテレワーク就労支援や、シルバー人材センターの機能強化などが盛り込まれています。

☛社労士前田の深掘り分析

令和8年度は「メンタルヘルス・ハラスメント対策」が企業の重要義務となります。特に新たに予算化された「カスハラ対策」は、企業の安全配慮義務の観点からも無視できません。また、女性の健康課題への対応は「健康経営」の新たな指標として、採用力強化に直結します。


【まとめ】

令和8年度予算案は、「投資する企業には手厚く、何もしない企業には厳しい」という鮮明なメッセージを発しています。

  • 助成金の活用

    賃上げ支援、DX投資、教育訓練に関連する助成金は過去最大級のラインナップです。

  • 制度の整備

    ジョブ型、多様な正社員、ハラスメント対策など、法改正を先取りした就業規則のアップデートが必要です。

  • 人材のリスキリング

    社員のスキルを磨き、高い付加価値を生む組織への転換が急務です。

当事務所では、これらの最新予算案を踏まえた助成金活用、賃金制度設計、ハラスメント対策のコンサルティングを全国対応で承っております。


*ご参考:令和8年度厚生労働省所管予算案関係


坂の上社労士事務所/給与計算・就業規則・助成金・社会保険・労務相談・人事評価(東京都千代田区神田三崎町/全国対応) マネーフォワード公認プラチナメンバー/マネーフォワード給与・勤怠 代表 特定社会保険労務士 前田力也

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