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令和7年度「年金収支決算」から読み解く!社会保障制度の現在地と企業の労務戦略
厚生労働省より、令和8年8月7日に「厚生年金保険・国民年金の令和7年度収支決算の概要」が公表されました。本決算報告は、我が国の社会保障制度の中核を担う公的年金制度の最新の財政状態を示す極めて重要な資料です。単なる過去の収支報告にとどまらず、ここには今後の労働市場の動向や、政府が目指す法制度の方向性が如実に表れています。
本記事では、特定社会保険労務士の専門的な知見に基づき、この決算データを「3つの視点」から深く紐解きます。表面的な数字の増減にとどまらず、その背景にある法律や制度の改正、政府の狙い、そして企業実務に与える影響や今後の具体的な対策まで、わかりやすく解説いたします。経営者や人事労務担当者の皆様にとって、次の一手を打つための道標となれば幸いです。
1.過去最高302兆円を突破した積立金と、年金財政の健全性
令和7年度決算における最大の注目点は、決算結了後の年金積立金が時価ベースで前年度より42兆5,136億円も増加し、過去最高の302兆5,893億円に達したことです。内訳を見ると、厚生年金保険においては6年連続の増加(簿価122

坂の上社労士事務所
8月12日読了時間: 8分


【令和8年最新法改正】個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入年齢引き上げと企業型年金の拠出制限撤廃に関する実務解説〜社会保険労務士が読み解く3つの視点と今後の企業対応〜
令和8年(2026年)6月30日、厚生労働省年金局長より、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係省令の整備等及び経過措置に関する省令等の公布について(通知)」が発出されました。本省令および命令は、令和8年12月1日より施行されます。 少子高齢化が進み、長く働き続けることが一般的となる社会構造の変化の中、老後の資産形成の中核を担う確定拠出年金制度は、極めて大きな転換点を迎えます。本記事では、企業の経営者・人事労務担当者に向けて、今回の法改正がもたらす影響と実務上の対策を、社会保険労務士の専門的な知見から「3つの視点」に整理して深く解説いたします。 1.法律改正の背景と政府の意図〜「長く働き、長く備える」社会制度への適合〜 今回の改正の根底には、「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化」という政府の強力な方針が存在します。 これまで、日本の公的年金制度および私的年金制度は、60歳での定年退職をひとつの区切りとして設計されていました。しかし、健康寿命の延伸や継続雇用の普及により

坂の上社労士事務所
7月8日読了時間: 8分


【令和8年最新税制対応】複数法人役員・小規模企業共済・個人型確定拠出年金の退職金受給「完全最適解」~制度改正の背景から読み解く戦略的出口設計~
経営者や複数法人の役員にとって、長年の功労の集大成ともいえる「退職金」。特に「役員退職金」「小規模企業共済」「個人型確定拠出年金」という3つの強力な選択肢を持つ経営者にとって、これらを「いつ」「どのように(一括か年金か)」受け取るかの出口戦略は、手取り額を数千万円単位で左右する極めて重要な経営課題です。
しかし、令和8年現在、退職金を巡る税制は「過去に類を見ない大激変」の渦中にあります。かつて経営指導者や税理士が推奨していた「個人型確定拠出年金を60歳で受け取り、65歳で役員退職金を受け取る」という黄金の定石は、直近の税制改正により完全に崩壊しました。国税庁の新たな通達や規則の変更を見落とし、安易に過去の専門知識を適用すれば、想定外の巨額な税負担を強いられることになります。
本稿では、令和8年の最新税制と関係法令、国税庁の租税回答(質疑応答集)を極めて精緻に分析・解読し、社会保険労務士という労務と社会保障の専門家の視点から、「あらゆる類型を想定した最適解」を解説します。
本記事が提示する「3つの重要視点」
本記事は、経営者様が直ちに全

坂の上社労士事務所
6月5日読了時間: 14分


「精鋭」ライフプランナー・モデルの崩壊とガバナンスの不全 ― ソニー生命・プルデンシャルを揺るがす金銭詐取問題の深層
ブランドに隠された「個の暴走」
生命保険業界において「ライフプランナー(LP)」は、単なる営業職ではなく、顧客の人生に寄り添うプロフェッショナルの代名詞でした。しかし、今その信頼が根底から覆されています。ソニー生命で新たに発覚した20〜30件規模の金銭詐取疑い、そしてプルデンシャル・グループ全体で累計700件にも及ぶ被害申請。これらは、一部の不届き者による不祥事という枠を超え、業界が長年抱えてきた「組織モデルの限界」を露呈しています。
本記事では、この事態を3つの視点で分析し、私たちが真に選択すべき資産防衛のあり方を提言します。
1.労務・組織論:「フルコミッション」が招いた統治の死角
今回の問題の背景には、生命保険業界特有の報酬体系と組織風土が深く関わっています。
①個人事業主化する営業職員
ソニー生命やプルデンシャル生命は、営業成績が給与に直結する「フルコミッション(完全歩合制)」に近い報酬体系を採用しています。この仕組みは高いモチベーションを生む一方、社員を「組織の一員」ではなく「社内個人事業主」に変質させました。

坂の上社労士事務所
4月22日読了時間: 5分


【社労士解説】資産運用立国の「第二章」へ。iDeCo(イデコ)拡充と「50歳からのキャッチアップ拠点枠」が解く氷河期世代の老後不安
2026年4月、日本の年金・資産形成制度は大きな転換点を迎えようとしています。自民党の「資産運用立国議員連盟(岸田文雄会長)」がまとめた新たな提言案は、単なる制度のマイナーチェンジに留まらず、社会構造の歪みを修正し、100年人生時代における「持たざる世代」への強力なバックアップを企図するものです。
本稿では、社会保険労務士の視点から、2026年12月に実施されるiDeCo(個人型確定拠出年金)の劇的な「パワーアップ」と、現在検討されている「50歳以上のキャッチアップ拠出枠」の深層について、制度改正の背景、政府の狙い、そして実務上の注意点を多角的に解読します。
1.制度の変遷と「資産運用立国」の真の狙い
――「貯蓄から投資へ」から「人生の修復」へ
政府が推進する「資産運用立国」の柱は、これまでNISAの抜本的拡充や未成年への対象拡大に置かれてきました。しかし、今回の提言の核となるのは、確定拠出年金(DC)という「老後資金のラストリゾート」における柔軟性の確保です。
1. 2026年12月の「iDeCoパワーアップ」がもたらすインパクト

坂の上社労士事務所
4月22日読了時間: 6分


【2026年12月施行】iDeCo・企業型DCが大幅拡充!最大7.5万円への引き上げと「第5号加入者」新設の全貌
令和7年12月24日、日本の年金制度の機能を強化するための「国民年金基金令等の一部を改正する政令」が公布されました。施行日は令和8年12月1日です。
今回の改正は、単なる「上限アップ」に留まらず、多様な働き方や高齢期の就労に合わせた画期的な仕組みが導入されています。
3つの視点で見る「改正のインパクト」
1. 【経営者・人事担当者】福利厚生としての魅力向上
企業型DCの限度額が月額6.2万円に引き上げられることで、従業員の資産形成をより強力にバックアップできるようになります。特に「iDeCo+(イデコプラス)」を活用している中小企業にとっては、採用時や離職防止における強力な武器(福利厚生)となるでしょう。
2. 【会社員・公務員】「穴埋め拠出」による資産形成の加速
これまで企業年金(DBなど)がある方はiDeCoの併用枠が制限されていましたが、今後は企業型DCの枠内(最大6.2万円)で、他制度の掛金との差額をiDeCoで「穴埋め」できるようになります。これにより、会社の制度に左右されず、自らの意志で最大限の非課税枠を使い切るこ

坂の上社労士事務所
1月13日読了時間: 4分


【事例解説】会社掛金が少なくてもOK!企業型DC「マッチング拠出」制限撤廃の衝撃と実務対応
令和8年(2026年)4月1日より、確定拠出年金(企業型DC)における「事業主掛金以下でなければならない」という加入者掛金の制限が撤廃されます。これまでは「会社の掛金が少ないと、従業員も少ししか積立できない」という縛りがありましたが、これが解消されます。具体的な事例で、そのインパクトと実務のポイントを3つの視点で解説します。☛ここがポイント
これまでは「もっと老後に備えて節税したい」と思っても、会社の掛金という「天井」に阻まれていました。改正後は、拠出限度額の範囲内であれば、会社の掛金額に関係なく、自身の責任で大きく掛金を設定できるようになります。
2.【実務事例】「届出不要」な会社と、「申請が必要」な会社の違い
今回の改正に伴い、規約変更が必要ですが、変更内容によって手続きの重さが変わります。
ケースA:今のテーブル(選択肢)のまま制限だけ外す場合
状況:規約に「加入者掛金は事業主掛金を超えてはならない」という文言があるだけ
対応:その文言を削除する変更
手続き:「届出不要」(軽微な変更として扱われます)
ケ

坂の上社労士事務所
2025年12月15日読了時間: 3分
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