【緊急解説】高市首相が裁量労働制の見直しを表明!「自由な働き方」か「定額働かせ放題」か?社労士が紐解く3つの真実
- 坂の上社労士事務所

- 2月21日
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こんにちは。社会保険労務士の前田です。今日は、私たちの働き方の根幹を揺るがす「裁量労働制」について、最新の政治動向と実務上の重要ポイントをリンクさせながら、プロの視点で徹底解説していきます。
特に注目すべきは、2026年2月20日の施政方針演説で高市早苗首相が表明した「裁量労働制の見直し」です。これまでの「時間で縛る働き方」から「成果と裁量で勝負する働き方」へと、国が大きく舵を切ろうとしています。今回のニュースと厚生労働省の資料を深く読み解くと、私たちが直面する未来が3つの視点で見えてきます。
第1の視点は、「政府の狙いと制度改正の歴史的背景」です。2024年4月に改正された現行制度では、労働者の「個別の同意」や「同意の撤回手続き」の整備、さらには「勤務間インターバル」の導入といった健康確保措置が厳格化されました。しかし、今回の高市政権の動きは、これをさらに一歩進め、経済成長の「スイッチ」として裁量労働制を位置づけています。具体的には、経団連などが強く要望している「営業職やコンサルタント」への対象拡大や、導入手続きの緩和が検討の遡上に載っています。人手不足が深刻化する中で、時間の制約を経営の足かせにせず、働き手の能力を最大限に引き出そうという強い意図が感じられます。
第2の視点は、「メリットの裏に潜む実務上のリスクと懸念」です。裁量労働制の最大の魅力は、働く側にとっての「時間の自由」です。高い専門性を持ち、短時間で成果を出せるプロフェッショナルにとっては、ワークライフバランスを飛躍的に向上させる武器になります。一方で、労働組合側からは「長時間労働を招きかねない」「定額働かせ放題になる」といった根強い批判があります。実際、2024年度の調査では、裁量労働制適用者の中で8件の労災認定があり、そのうち2件が過労死・自殺という痛ましい結果も報告されています。企業側は、単に「任せた」で終わらせるのではなく、客観的な労働時間の把握と、実効性のある健康確保措置を講じる責任がこれまで以上に問われることになります。
第3の視点は、「これからの動向と実務上の具体的な注意点」です。政府は2026年夏までに一定の方向性を示す方針で、労働市場改革は加速していくでしょう。実務上、特に注意すべきは「名ばかり裁量労働」の防止です。現在、専門業務型は20職種、企画業務型は4つの要件に限定されていますが、今後対象が拡大されたとしても、「業務の手段や時間配分に具体的な指示をしない」という大原則は変わりません。もし、会社から細かく時間を拘束されたり、裁量がない状態でみなし労働だけが適用されているのであれば、それは法的に極めて危うい状態です。深夜労働や休日労働に対する割増賃金の支払いは、裁量労働制であっても免除されないという点も、改めて周知徹底する必要があります。
これからの時代、企業には「働き手を信じて裁量を与える度量」が、労働者には「自らを律して成果を出すプロ意識」が求められます。政府が進める規制緩和が、単なる労働コストの削減ではなく、真に創造的な働き方を実現するためのものになるのか。私たち専門家も、現場の実態を注視しながら、正しい運用のサポートに全力を尽くしていきます。
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