令和4年2月21日に、キャリアアップ助成金の改正内容が、厚生労働省より公開されました。今後の助成金申請に際し、大きく影響を及ぼす内容です。主要な部分のみピックアップして記載致します。
1.有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換を廃止【正社員化コース】2022年4月1日~
▼変更前
①有期⇒正規 1人当たり57万円
②有期⇒無期 1人当たり28万5千円
③無期⇒正規 1人当たり28万5千円
↓
▼変更後
①有期⇒正規 1人当たり57万円
②無期⇒正規 1人当たり28万5千円
2.正社員定義の変更【正社員化コース/障害者正社員化コース】2022年10月1日~
▼変更前
同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者
↓
▼変更後
同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者。ただし、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る
3.非正規雇用労働者定義の変更【正社員化コース/障害者正社員化コース】2022年10月1日~
▼変更前
6か月以上雇用している有期または無期雇用労働者
↓
▼変更後
賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者
4.支給要件の変更【賞与・退職金制度導入コース】2022年4月1日~
▼変更前
①賞与
②家族手当
③住宅手当
④退職金
⑤健康診断制度
※①~④の制度は正社員と共通化必須(同額または同一の算定方法)
↓
▼変更後
①賞与
②退職金
※非正規雇用労働者に対する制度新設のみで助成可(正社員との共通化は必須ではない)
5.支給要件の緩和および時限措置の延長【短時間労働者労働時間延長コース】2022年4月1日~
①延長すべき週所定労働時間の要件を緩和
▼変更前
週5時間以上
↓
週3時間以上
②助成額の増額措置等を延長
▼変更前
令和4年9月末
↓
令和6年9月末(予定)
☛当事務所の見解
どれも大きな改正にはなりますが、個人的には正社員転換後の正社員の定義に、「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者、という要件が追加されたことは大きな変更点になるかと思います。賞与(退職金)支払の条件や時期、支払額などの検討、就業規則の改定・届出等の対応が必要となりそうです。
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