【速報】令和8年度の雇用保険料率は「引き下げ」へ!手取りが増える?従業員負担、会社負担はどうなる?社労士(社会保険労務士)が3つのポイントで徹底解説
- 坂の上社労士事務所

- 12月22日
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更新日:12月24日

物価高や賃上げが叫ばれる中、企業経営者様や働く皆様に「朗報」とも言えるニュースが飛び込んできました。令和7年12月19日に厚生労働省から公表された資料によると、令和8年度(2026年4月~)の雇用保険料率が「引き下げ」となる方針が示されました 。
「たかが0.1%」と思われるかもしれませんが、毎月の給与計算や年間コストにおいては無視できない変化です。今回の変更案について、社労士の視点から「ここだけ押さえればOK」な3つのポイントに絞ってわかりやすく解説します。
1.雇用保険料率全体で0.1%ダウン!労使ともに負担が軽くなります
結論から申し上げますと、令和8年度の雇用保険料率は、令和7年度と比較して全体で0.1%引き下げられる見込みです 。
具体的には以下の通りです(一般の事業の場合)。
現在の料率(令和7年度) 1.45%
新しい料率案(令和8年度) 1.35%
この「0.1%」の引き下げ分は、労働者負担分・事業主負担分それぞれ「0.05%ずつ」軽減されます。つまり、従業員にとっては手取り額がわずかに増え、会社にとっては法定福利費の削減につながる嬉しい改定となります。
2.下がるのは「失業等給付」の部分。育休分は維持
雇用保険料率は3つの要素で構成されていますが、今回下がるのは「失業等給付(失業手当など)」の財源となる部分です。
失業等給付分 0.7% → 0.6%に引き下げ
育児休業給付分 0.4% → 0.4%(据え置き)
二事業分(助成金等) 0.35% → 0.35%(据え置き)
男性育休の取得増や制度改正により支出が増えている「育児休業給付」に関しては、料率維持(据え置き)となっています。財政状況が比較的安定している「失業給付」の積立金に余裕があるため、今回の引き下げが可能となりました。
3.給与計算担当者は「4月」の切り替えに注意!
この料率変更は、正式決定されれば「令和8年4月1日」から適用される予定です。一般の事業では、労働者負担分雇用保険料は5.5/1000→5/1000となります。
給与計算の実務担当者様は、以下の対応が必要になります。
給与計算ソフトの料率設定変更(令和8年4月支給給与、または5月支給給与など、締日・支払日のルールに合わせて変更)
従業員への周知(保険料率変更のお知らせ等)
0.1%の差ですが、設定を忘れると全従業員の給与計算にミスが生じ、後から差額調整という大変な手間が発生します。正式決定の報が出ましたら、カレンダーに予定を入れておくことを強くおすすめします。
今回の引き下げは、安定的な財政運営と保険料負担軽減の両立を図るための措置です。今後の正式決定を待ちつつ、まずは「来年度は保険料が少し安くなる」という見通しを持っておきましょう。
より詳しい情報や、自社への具体的な影響額の試算、給与計算のアウトソーシングのご相談等は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
*ご参考:第208回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66762.html
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