【社労士が警告】2025年10月から医療費が急増!後期高齢者医療「2割負担」の影響!緩和措置終了であなたの家計はどうなる?
- 坂の上社労士事務所

- 10月1日
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更新日:10月1日

令和7年10月1日をもって、後期高齢者医療制度における窓口負担割合の見直しの配慮措置が終了しました。これは、単に制度が変わるだけでなく、現役並み所得者以外で2割負担の方の月々の医療費が数千円〜1万円単位で増える可能性があることを意味します。
社会保険労務士(社労士)の視点から、この負担増が家計と人生設計に与える影響と、今すぐ取るべき対策を解説します。
1. 家計と税金の視点
突然の「隠れ増税」に!医療費控除も再チェックを
配慮措置の終了は、実質的な「医療費の自己負担額の増加」を意味します。社労士前田の視点から、この影響と対策を解説します。
負担増の仕組みの理解
措置終了前は、外来の自己負担額が月3,000円を超えた分は払い戻しがありましたが、10月以降はこの上限がなくなります。つまり、これまで払い戻しを受けていた分が全額自己負担となります。
税金対策の再検討
医療費の増加は、年末の医療費控除(年間10万円または総所得金額等の5%を超えた額)の計算に影響します。負担増を見越して、高額療養費の還付額(10月以降は減る)や実際の自己負担額を正確に把握し、翌年の確定申告に備える必要があります。
シミュレーション(1か月の外来費5万円の場合) | 措置終了前(〜R7.9) | 措置終了後(R7.10〜) |
窓口支払い(2割) | 10,000円 | 10,000円 |
3,000円超過分の還付 | 7,000円 あり | 0円 |
実質負担額 | 3,000円 | 10,000円 |
月々の負担増加額 | - | 7,000円 |
2. 制度と手続きの視点
高額療養費制度の正しい活用が「命綱」になる!
窓口負担の軽減措置は終了しましたが、高齢者の医療費負担にはセーフティネットである「高額療養費制度」が残っています。
所得区分ごとの上限額を確認
2割負担となる方でも、1か月の自己負担額には所得に応じた上限(高額療養費の自己負担限度額)があります。医療費の総額の2割を支払ったとしても、後から払い戻しがあるため、実質的な負担はこの上限額までです。
「限度額適用認定証」の確認
入院や高額な治療を予定している方は、事前に「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口での支払いを最初から自己負担限度額までにとどめることができます。この認定証が使えるかどうか、ご自身の所得区分を含め、必ず市町村や広域連合に確認しましょう。
*ご参考:協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」
3. 企業経営者の視点
従業員の「親」の負担増は「仕事への集中力」に直結する
直接的に企業が負担する制度ではありませんが、従業員の親世代の経済的負担増は、従業員自身の精神的なストレスや看病の経済的援助といった形で企業経営にも影響します。
健康と両立支援の推進
従業員の親が高齢期に入っている場合、医療費負担増による不安は、従業員の集中力低下や離職リスクにつながりかねません。企業は、「介護休業」「介護休暇」「介護短時間勤務」といった両立支援制度を充実させることで、間接的に従業員の家族をサポートし、長期的な人材定着を図るべきです。
セカンドキャリア支援
定年後の再雇用や退職を控えた従業員に対し、今回の制度変更を踏まえたライフプランセミナーや公的保険制度の再教育を実施することは、企業としての社会的責任(CSR)と従業員満足度(ES)の向上に繋がります。
今回の措置終了は、家計に直接影響する重要な変化です。ご自身の所得区分、医療費の状況、そして使える制度(高額療養費など)を正確に把握し、不安を解消するためにも、社会保険労務士などの専門家へ相談することをおすすめします。
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