【社労士が徹底解説】外国人材120万人超の衝撃!新「育成就労・特定技能」運用方針案の全貌と企業の生き残り戦略
- 坂の上社労士事務所
- 12 時間前
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外国人材の受け入れ制度が大きな転換点を迎えています。令和8年1月7日に開催された有識者会議で、新たな「育成就労制度」と「特定技能制度」の運用方針案が固まりました。本記事では、この最新資料を社会保険労務士の視点で徹底分析し、今後の日本企業が直面する人材確保のリアルと、経営者が知っておくべき3つの重要ポイントを解読します。
■ 社労士の視点で読み解く「3つの要約ポイント」
「労働力確保」への明確なシフト:123万人の受け入れ見込み
政府は、令和10年度末までの5年間で、特定技能と育成就労を合わせて約123万人の受け入れを見込んでいます。これは、単なる「国際貢献」ではなく、深刻な人手不足を補うための「即戦力の確保と育成」に制度の目的が完全に移行したことを意味します。
「転籍制限」と「地域間格差」への対策
育成就労制度では、一定の条件下で「本人の意向による転籍(転職)」が認められますが、地方から都市部への人材流出を防ぐため、分野ごとに1〜2年の転籍制限期間が設けられました(例:介護分野は2年、ビルクリーニング分野は1年)。
キャリア形成プログラムの義務化とコンプライアンス 企業には、外国人が自身のキャリアを俯瞰できる「育成・キャリア形成プログラム」の策定が求められます。また、社会保険料や税金の適切な支払いなど、公租公課の遵守がこれまで以上に厳格に管理されることになります。
■ 出入国在留管理庁資料から見る詳細分析と深掘り解説
1. 驚異の受け入れ規模:分野別の上限数
資料によると、令和10年度末までの分野別受け入れ見込数は以下の通りです。
製造業分野(工業製品製造): 319,200人(最多)
建設分野:199,500人
飲食料品製造業分野:194,900人
介護分野:160,700人
この数字は、各業界が生産性向上や国内人材確保の努力を最大限行った上でもなお不足すると推計された「純然たる人手不足数」に基づいています。
2. 新制度「育成就労」の具体的要件
従来の技能実習に代わる「育成就労」は、3年間で「特定技能1号」へ移行できる水準の技能を習得させることを目的とします。
日本語能力:開始時にA1相当(挨拶程度)、1年経過時にA1試験合格、修了時(3年後)にA2.2相当(特定技能1号水準)が求められます。
技能評価:1年経過時に初級試験、修了時に専門級試験(特定技能1号評価試験に相当)の合格を目指します。
3. 「転籍(転職)」のリスクと企業の待遇向上策
今回、経営者にとって最大の関心事は「転籍制限」でしょう。
制限の理由:介護分野などでは、利用者との信頼関係維持や地方からの流出防止を理由に、制限期間を「2年」としています。
待遇向上の義務:1年を超える転籍制限を設ける場合、企業は「処遇改善加算の取得」や「昇給率の設定・公表」など、追加的な待遇向上策を講じる義務があります。
4. 地域間異動の衝撃データ
参考資料によると、技能実習から特定技能1号へ移行した外国人のうち、32.8%が都道府県をまたぐ転居を伴う異動をしています。
流入超過エリア:東京都、埼玉県、神奈川県などの大都市圏 。
流出超過エリア:北海道、青森県、宮城県、広島県など。このデータは、単に制度を導入するだけでなく、「選ばれる企業」になるための労務環境整備が不可欠であることを示唆しています。
*ご参考:第13回 特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議(出入国在留管理庁)
■ 社労士前田からのアドバイス
新制度への移行は、単なる手続きの変更ではありません。外国人を「安価な労働力」としてではなく、「共に成長するパートナー」として位置づけ、キャリアパスを提示できるかどうかが、今後の企業成長の鍵を握ります。
育成就労制度の開始は令和9年4月が予定されていますが、令和8年1月中の閣議決定を経て、具体的な準備期間に入ります。今から就業規則の見直しや、キャリア形成プログラムの検討を始めることが、先行者利益を得るための第一歩となります。
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