top of page

【社労士解説】シフト制の有給休暇が変わる!?不公平解消と計算の簡素化へ、最新の規制改革会議を徹底分析

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 12 時間前
  • 読了時間: 4分
シフト制の有給休暇

店舗経営者や人事担当者の皆様、「シフト制スタッフの有給休暇、計算がややこしい」「不公平感が出て困っている」と感じていませんか?

2026年1月9日、内閣府の「働き方・人への投資ワーキング・グループ」において、まさにこの問題が議論されました。現在、全国に約990万人いるとされるシフト制労働者の処遇改善に向けた、大きな転換点となる可能性があります。

本記事では、社労士の視点から、提出された最新資料を徹底解読し、今後の実務に直結する3つのポイントに凝縮して解説します。


シフト制有休の「3つの視点」:現場の悩みを解決する改革の方向性

1. 「付与日数」の決定:契約上の日数ではなく「実態(実績)」ベースへ

シフト制では、契約時点で週の労働日数を固定するのが難しく、有休を何日付与すべきかの判断が実務上の大きな壁となっています。

  • 現状の課題:労働条件通知書に「週3日」とあっても、実際には「週4日」働いているケースなど、契約と実態の乖離が労使トラブルの火種になっています。

  • 改革の方向性:訪問介護労働者の事例(基発第0827001号)をモデルに、予定日数が算出困難な場合は「過去の実績」から付与日数を算出するルールの適用が検討されています。

  • 深掘り解説:例えば、雇入れから6か月経過時点の付与日数を決める際、過去6か月の労働実績を2倍して「1年間の所定労働日数」とみなす手法の一般化が期待されています。


2. 「有休時の賃金」:不公平感をなくす「第3の算定方式」の提案

有休を取った日に支払う賃金の計算も、シフト制特有の悩みです。

  • 現状の課題:現在は「平均賃金」または「通常の賃金」が主流ですが、平均賃金は支給額が低くなりやすく、通常の賃金は「勤務時間が長い日に有休を取る方が得」という不公平感を生んでいます。

  • 注目の新提案:全国社会保険労務士会連合会は、新たな選択肢として「時給 × 過去の実績に基づく1日平均労働時間」という方式を提案しました。

  • 深掘り解説:この方式(案)なら、取得日ごとの賃金額に差が出ず公平で、計算ルールも労使協定で明文化しやすいため、実務負担と労働者の納得感の両立が可能です。


3. 「管理体制の最適化」:シフト確定「前」の有休希望をルール化

有休取得を促進するには、運用の仕組み自体を見直す必要があります。

  • 現状の課題:多くの現場では「シフト確定後」に有休を申請するため、欠員補充の調整が発生し、使用者が有休取得を手放しで推奨しにくい構造があります。

  • 改革の方向性:シフト作成時の意見聴取段階で、出勤不可日だけでなく「有休取得希望」も同時に出してもらうプロセスの明確化が提案されています。

  • 深掘り解説:弁護士の視点からも、シフト決定プロセスを明確にすることで、使用者の予見可能性を高め、円滑な有休消化につなげるべきとの指摘が出ています。


社労士としての総括:企業の生き残り戦略としての「適正運用」

今回のワーキング・グループでの議論は、単なるルールの明確化にとどまりません。日本フランチャイズチェーン協会(JFA)等の業界団体からも、労使双方にとって分かりやすい基準を求める切実な要望が出ています。

人手不足が加速する中、「シフト制だから有休は取りにくい」という意識のままでは、優秀な人材の確保は困難です。今後は、デジタルのシフト管理ツール等も活用しながら、実績に基づいた公平な付与と算定を行うことが、企業のコンプライアンス遵守とエンゲージメント向上に直結します。

法改正の動向を注視しつつ、まずは自社のシフトワーカーの「実態」を把握することから始めましょう。


*ご参考:働き方・人への投資ワーキング・グループ(内閣府)


坂の上社労士事務所/給与計算・就業規則・助成金・社会保険・労務相談・人事評価(東京都千代田区神田三崎町/全国対応) マネーフォワード公認プラチナメンバー/マネーフォワード給与・勤怠 代表 特定社会保険労務士 前田力也

水道橋オフィス 東京都千代田区神田三崎町2-17-5稲葉ビル203

国分寺オフィス 東京都国分寺市本町4-7-5サンプラビル2階【立川市・八王子市・国分寺市・武蔵野市など多摩エリア・中央線沿線対応】

お問い合わせ support@sakanouehr.com 電話03-6822-1777

bottom of page