• 坂の上社労士事務所

盲点となる賞与規定への対応【キャリアアップ助成金/正社員転換コース】

1.5%が3%に

令和3年4月1日より、キャリアアップ助成金が一部改正されます。最も大きな改正としては、今まで基本給の5%上昇が条件となっていたところ、4月1日以降に正社員へ転換する場合は、3%上昇で条件を満たすようになることです。2%の減少といえど、中小企業にとっては朗報で、今後さらに正社員転換コースを利用しやすくなるのではないでしょうか。

【事例1】正社員転換日 令和3年3月1日⇒基本給の5%上昇が必要

【事例2】正社員転換日 令和3年4月1日以降⇒基本給の3%上昇が必要


2.賞与要件は撤廃

改正前までは、基本給の上昇をせず、基本給の5%×6カ月分を賞与で支払えば助成金の条件を満たしていたところ、本年4月以降はその制度を使うことができません。この点は注意が必要です。特に、4月前後で転換日を迎えるケースはさらに注意が必要です。

【事例1】正社員転換日 令和3年3月1日⇒賞与要件適用。3月1日~8月31日までに就業規則で定められた賞与支払日があれば、その賞与支払時に基本給の5%×6カ月分を支払えば助成金の受給条件を満たすことになります。

【事例2】正社員転換日 令和3年4月1日以降⇒賞与要件なし。基本給を上昇させることでしか助成金の要件を満たすことはできません。


3.リスク予防の観点

もう一点、『労務リスクの予防』という別の観点で対応が必要です。

恒常的な基本給上昇に抵抗があった中小企業は、「賞与」という一時金を支払うことで正社員転換コースの条件をクリアしてきた実情があります。注意すべきは、助成金の条件をクリアする為に、就業規則に賞与規定を新設した企業です。仮に、キャリアアップ助成金の受給条件に関わらず、今後賞与を支払う予定がないのであれば、賞与の規定は即削除すべきです。この規定を残すことで、後々大きなトラブル(賞与支払リスク)を招きかねません。法に則り、就業規則改定の手続を実施しましょう。あわせて、正社員用の雇用契約書に賞与支給の記載がある場合も見直しが必要です。


☛関連記事

【令和3年度最重要改正】キャリアアップ助成金が令和3年4月から変わります

最新記事

すべて表示

厚生労働省より、人材開発支援助成金について、制度見直しのパンフレットが公表されております。具体的な制度変更の内容としては、訓練施設の要件変更、提出書類の省略、定額制訓練の要件変更、OJT訓練指導者の要件変更、教育訓練短時間勤務等制度の要件変更、OJTの実施要件の変更となります。

厚生労働省は、9月1日から、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図る中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた取り組みを支援するための「業務改善助成金」制度※1の拡充を行います。原材料費高騰等の要因で利益率※2が減少した中小企業・小規模事業者を特例の対象とし、こ