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【2026年度税制改正】「年収の壁」160万円から178万円へ? 住宅ローン・仮想通貨・新NISAまで最新情報を完全網羅

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 11 時間前
  • 読了時間: 4分
税制改正

2025年の税制改正で「103万円の壁」が「160万円」へ引き上げられ、今年も年末を迎えようとしています。そのような中、政府・与党は早くも次のステップ、2026年度税制改正に向けた協議の最終局面に入りました。すでに「非課税枠160万円」の恩恵を受けている私たちにとって、今回の改正でさらに何が変わるのか?専門家の視点でポイントを解説します。


1. 税制改正「年収の壁」は160万円 → 178万円へ届くか?

最大の焦点は、所得税の非課税枠のさらなる拡大です。現在は2025年改正により「基礎控除95万円+給与所得控除65万円=合計160万円」まで非課税となっていますが、ここからの「上積み」が議論されています。

  • 現状(2025年〜):年収160万円まで所得税ゼロ。

  • 国民民主党の主張:1995年からの最低賃金の伸び率を完全反映し、「178万円」まで引き上げるべき。

  • 自民党の検討案:直近2年間の物価上昇(CPI)を反映させ、現行の160万円に約8万円を上乗せ(約168万円)する案などを検討中。

☛社労士前田の視点

すでに「160万円」まで枠が広がったことで、パート・アルバイトの方の働き控えは大幅に解消されていますが、最低賃金も上昇し続けています。「178万円」が実現すれば、月収換算で約14.8万円まで非課税となり、フルタイムに近い働き方でも税負担が生じない層がさらに厚くなります。また、現在は年収200万円以下に手厚くなっている「基礎控除の上乗せ特例」を、中間層(年収200万円超〜)にも広げる議論が進んでおり、これが実現すれば正社員世帯にとっても大きな手取り増となります。


2. 住宅ローン減税:「場所」による線引きが明確に

2030年末までの延長が検討されていますが、防災の観点から厳しい要件が加わります。

  • 対象外エリアの新設:「災害レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域など)」での新築は減税対象外となります。これから土地を買う方はハザードマップの確認が必須です。

  • 中古住宅の優遇拡大:省エネ性能が高い中古住宅は、借入限度額が3500万円(子育て世帯は最大4500万円)へ引き上げられます。

  • 単身者・DINKSへの配慮:所得1000万円以下であれば、床面積40㎡以上から対象(恒久化)となり、コンパクトマンションも買いやすくなります。

    ※DINKS=共働きで意識的に子どもをもたない選択をした夫婦のこと


3. 「未成年版NISA」で教育資金作りが加速

18歳未満を対象とした投資枠が、早ければ2027年から復活・新設される見通しです。

  • 枠:年間60万円(総額600万円)のつみたて投資枠。

  • 制限:12歳(中学生)になるまで引き出し制限あり。

  • 活用法:児童手当などを原資に、大学進学等の費用を非課税で運用する「学資保険代わり」のスタンダードになるでしょう。


4. 仮想通貨(暗号資産)がついに「申告分離課税(20%)」へ

投資家待望の改正です。これまで雑所得(最大55%)だった仮想通貨の利益が、株やFXと同じ一律20%(分離課税)になる調整に入りました。

  • 影響:利益が大きく出た際の税負担が激減します。損失の繰越控除(3年間)が認められれば、リスク管理も容易になります。

  • 条件:金融商品取引法改正による利用者保護の徹底がセットです。


5. 会社員の「手取り」を増やす福利厚生の拡充

企業が従業員の生活を支援する際の非課税枠が、物価高に合わせて大幅に見直されます。

① 食事手当(社食・弁当)の非課税枠が「月7,500円」へ

約40年ぶりに限度額が倍増します(旧:3,500円)。

  • 従業員が食事代の半分以上を負担していれば、会社からの補助月7,500円までは給与課税されません。実質的な手取りアップに使えます。

② マイカー通勤の駐車場代も非課税へ

これまで原則課税だった駐車場代補助が、月5,000円まで非課税となる方向です。特に地方の車通勤者には朗報です。


2026年は「資産形成」と「働き方の自由」が加速する

2025年の「160万円の壁」への移行に続き、2026年度改正はさらに「働いて稼ぐ」「投資で増やす」ことへのハードルを下げる内容が中心です。

  1. パート・副業の方:非課税枠が178万円になれば、さらに労働時間を増やせます。

  2. 投資家の方:仮想通貨の税制変更は革命的です。NISAと合わせて戦略の再考を。

  3. 経営者の方:「食事手当7,500円」や「駐車場補助」など、給与以外の方法で社員に報いる選択肢が増えます。賃上げ税制(中小企業は維持)と組み合わせて活用しましょう。

最新の税制改正に対応した就業規則の見直しや、従業員の手取り最大化シミュレーションなど、実務的な対応はぜひ当事務所にご相談ください。


坂の上社労士事務所 給与計算・就業規則・助成金・社会保険・労務相談・人事評価 (東京都千代田区神田三崎町/全国対応)

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