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【特定社労士が徹底解説】マイナ保険証利用率60%突破の衝撃と「紙の保険証」完全終了へのロードマップ

  • 執筆者の写真: 坂の上社労士事務所
    坂の上社労士事務所
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分
マイナ保険証

厚生労働省は2026年2月12日、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」の2025年12月時点の利用率が63.24%に達したことを発表しました。11月の49.48%からわずか1ヶ月で約14ポイントも上昇しており、これは2025年12月1日に従来の保険証が「有効期限」を迎えたことによる駆け込み利用が主な要因です。

実務の最前線に立つ社労士の視点から、この急激な変化が企業経営や労務管理にどのような影響を与えるのか、3つの重要ポイントに絞って深掘り解説します。


1. 加速する医療DXの全貌:政府が描く「スマホ保険証」とデータ活用の未来

今回の利用率急増の背景には、単なるカードの切り替えを越えた、国家規模の医療システム刷新(医療DX)があります。

  • 「スマホ保険証」という新たな選択肢

    2025年9月から、スマートフォンにマイナ保険証機能を搭載できる「スマホ保険証」の運用が開始されました。2026年2月1日時点で、全国の医療機関の約48.7%が汎用カードリーダーの導入などによりスマホ対応を完了させています。

  • 救急医療・訪問診療での実用化

    消防庁は「マイナ救急」の実証事業を開始しており、救急隊員が搬送者の薬剤情報を読み取ることで一命を取り留めた事例も報告されています。また、訪問診療の現場でもモバイル端末での読み取りが進んでおり、2026年3月末にはアプリでのスマホ保険証読み取り機能もリリース予定です。

  • 政府の狙いとデータの二次利用

    国は患者の同意を前提に、過去5年分の受診歴や処方薬データを医療機関で共有する仕組みを構築しています。これにより、重複投薬の抑制や医療の質向上が期待されるだけでなく、匿名化されたデータを製薬会社が研究開発に活用する「二次利用」の促進も視野に入れています。


2. 世代間で広がる「利用格差」:企業が直面する周知の難しさ

統計データからは、世代によってマイナ保険証の浸透度合いに大きな差があることが浮き彫りになっています。

  • 高齢層の浸透と若年層の低迷

    年代別で見ると、通院頻度が高く、高額療養費制度の恩恵を受けやすい60代〜70代の利用率が最も高くなっています。一方で、85歳以上の超高齢層や、20代〜30代の若年層、そして子ども(特に5〜19歳)の利用率は相対的に低いままです。

  • 計算方法の変更による「見かけ」の上昇

    実は2025年10月から利用率の計算方法が変更されました。これまでの「受付件数ベース」から、より実態を反映しやすい「レセプト(診療報酬明細書)件数ベース」になったことで、数字上は10ポイント以上底上げされています。

  • 企業内での周知リスク

    若手社員が多い企業では「マイナ保険証への移行を知らなかった」「カードは持っているが紐付けしていない」という層が一定数存在します。人事担当者は、単に制度が変わることを伝えるだけでなく、具体的なメリット(確定申告の簡素化や高額療養費の自動対応など)を丁寧に広報する必要があります。


3. 社会保険労務の実務:2026年3月の「暫定期間終了」に備える

現在、従来の健康保険証は「暫定利用」という不安定な状態にあります。

  • 2026年3月末の「デッドライン」

    厚生労働省は、従来の紙・プラスチック保険証について、2026年3月末までを暫定的な利用期限としています。これ以降は、マイナ保険証を持っていない社員には「資格確認書」が配布されることになりますが、有効期限は保険運営者(健保組合等)によって異なるため、管理が複雑化します。

  • 高額療養費制度の劇的変化

    以前は高額な医療費が発生する場合、事前に「限度額適用認定証」を申請する必要がありました。マイナ保険証であれば窓口での提示だけで自動的に限度額までの支払いで済むようになります。これは従業員の経済的・事務的負担を軽減する大きなメリットです。

  • 自治体独自のインセンティブ

    東京都では2026年2月から「東京アプリ生活応援事業」を開始し、マイナンバーカードを保有する都民に1万1000円分のポイントを付与するなど、普及を後押しする施策を展開しています。

【社労士のアドバイス】

今後は「電子カルテ情報の全国共有」実証事業も進み、2026年度冬には本格運用が目指されています。企業としては、従業員が医療DXの恩恵を最大限受けられるよう、マイナポータルとの連携やスマホ保険証の活用を推奨することが、巡り巡って「健康経営」の推進にも繋がります。


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